看護師の申し送りの手法の一つにSBARというものがあります。これは状況、背景、アセスメント、提案の英単語の頭文字をとったもので、相手にわかりやすく伝えるのはもちろん、患者さんの安心や安全を提供する看護師にとって欠かせない心得ともなるものです。SBARはアメリカのとある病院の看護師教育から生まれたもので、近年の日本でも多くの看護現場で取り入れられています。
申し送りではこのSBARをもとにまずは怒っている状況について伝えていきます。血圧低下、頻脈など患者さんに起こっている状況をまず伝えることで、申し送りを受ける側は何が問題なのかを理解し次に説明する背景をスムーズに受け入れられます。状況とその背景を説明したら、次は実際に患者さんを見て考えたアセスメントについて話していきます。情報とデータの後に患者さんに何が起こっているのか考えを述べることで理解を増してもらえれば、意見などもより共有しやすくなるでしょう。
最後に行うのが提案です。ここまでの報告の上で、看護師として必要に感じることを提案していきます。必要な処置や検査の見通しを立てておくことで実際に患者さんにほどこされる看護や医療のスピードもぐっと早くなるでしょう。申し送りは限られた時間の中で状況報告、伝達を充分に行っていかなければなりません。SBARを活用することでよりスマートに済ませられるのは間違いありませんので、これを上手に実践していってください。